1998年7月12日
栗生海岸
  アオギリ
<青桐>
Firmiana platanifolia SCHOTT. et ENDL.

[アオギリ科アオギリ属]
アオギリ科は主に熱帯に生ずる高木、または草本。日本にはアオギリ属を産するのみだが、熱帯にはチョコレートの原料となるカカオ
Theobroma cacao L. がある。

分布:沖縄、台湾、中国、インドシナ

開花期:6〜7月

用途:庭木、公園・街路樹、器具材、樹皮の粘性物質は製紙用糊料・頭髪用粘質材料

薬用:種子を梧桐子(ごとうし)と呼び、成分はcaffeineの他、奇数炭素脂肪酸のsterculic acidが脂肪に含まれている。葉に約30%の不乾性油を、葉にはフラボノイドのルチンを、樹皮には粘液物質のアラバン、ガラクタンなどを含む。
▼種子を炒って食べると健胃、胃痛など効くという。▼浮腫、リウマチに、陰干しした葉10〜15gを水500ccで煎じ、一日3回分服。▼高血圧症に、陰干しした葉、樹皮10gを水400ccで煎じ、一日3回分服。
民間薬として、▼やけどに幹や枝を黒焼きにし、粉末にして付ける。

 中国原産と考えられるが日本にも多く、街路樹や庭園樹として普通に見られる落葉高木。材は建具、箪笥、茶器、箱、下駄、はし、楽器、パルプなどに利用され、樹皮の繊維は麻の代用とする。昔は種子を炒って食べたり、第2次大戦中はコーヒーの代用にした。

木本のトップへ