*******屋久島ガイドセミナー*******


西部林道川原にて
   一昨年京都大学霊長類研究所を退官された東滋氏を講師に迎え、屋久島の哺乳類についてのセミナーが開かれ、ガイドを中心に22名が参加しました。

 屋久島の哺乳類の歴史、森林の変化と哺乳類の関係、人と哺乳類の関係など大変興味深い内容でした。

 最後に宿題として、最近移入されたと思われるタヌキなど、外来の生物についてどう考えるか、またこれからどうすればよいのかなどの問題が私達に提起されました。この問題については東滋氏と共に私(大然)を含むガイド3名が中心に、調査などを進めていく予定です。

講義「サルと森と人」より
 昭和30年代からの拡大造林政策により大規模な照葉樹林の伐採が行われ、住処を奪われたサル達は一旦上部の山中へと逃げた。しかし人工林や二次林の成長と共に、サルはそれらの林を伝わって里に下りてくるようになり、猿害の問題が出てきた。現在電気柵と捕獲により防除しているが、電気柵は2万円/mと高価な上にこまめな管理が必要で、しかも恒久的なものではない。一方成長した二次林では木の実もなり始め、最近里に下りてくるサルが減ってきた。今後の課題として人工林を細かく区分し、その間に広葉樹を育てるなどの工夫をしていくことで猿害を防ぐことができ、サルと人が共存していけるのではないだろうか。

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