*****世界自然遺産フォーラムin屋久島*****

1999年10月14日
屋久島
環境文化村センター
 西暦2000年5月18日(木)〜21日(日)屋久島および鹿児島市に於て世界自然遺産会議が開催されます。10月12日にその準備会議が鹿児島市で開催され、同14日には準備会議の出席者が屋久島を訪問して屋久島についての率直な感想を述べ、意見交換を行うフォーラムが開催されました。その中でのやりとりの一部を紹介します。

【質問者】木下大然
 最近、自然遺産地域に指定されている夫婦杉から縄文杉にかけて登山道の整備が行われました。これは県の事業だとお聞きしておりますが、道をつくるために使われているのは防腐剤を加圧処理した輸入材です。しかも道をつくるために直径
30cmのヒメシャラ、20cmのヤマボウシなどたくさんの木が伐採されました。また遺産地域ではありませんが、ヤクスギランド、白谷雲水峡などでもコンクリートや防腐剤を加圧処理した輸入材が使われています。コンクリートの道は僅か数年で崩れてきています。一方雲水峡の一部では江戸時代につくられた花崗岩の道が数百年たった今でも残っています。遺産地域に指定されているのは屋久島の一部に過ぎません。それ以外の場所では人工的な公園をつくったり、必要以上の公共工事が目立ちます。また道をつくるときに削った斜面には外来植物の種を植え付けたり、道脇の並木にも島外の木を植えています。外来の植物だけで100種類を越えています。動物でもヤマメという魚が1971年に東京の多摩川上流から持ち込まれ、28年経った今でも分布域を広げています。パネリストの皆様、この様な現状をどのように思われますでしょうか?
【パネリスト】グレッグ・ウェラード(オーストラリア・クイーンズランド州公園・野生生物局企画・研究課長)
 (前略)何か事業をするときにはその計画段階で充分な検討が必要です。自然への影響を最小限に抑えることが大切です。

 以上です。私が行政に望むことは、パネリストの意見を充分理解した上で行政としてどう対処すべきか検討し、構想を練り、今後何か公共事業をやる際には住民や一 般の意見も広く取り入れて、計画の段階で充分に検討することを考えていって欲しいと思います。

 他にもパネリストの意見として、
「世界自然遺産地域において人をどのように管理するか考えていくべきだ」
「自然を守るため何をしているか来島者に伝えて欲しい」
「観光客を分散させるため屋久島以外の地域にも行くようにリンクをつくっていく必要があるのではないか」
 など活発な意見交換がなされました。

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