しんぶん赤旗 2016年7月21日
ひと
鹿児島で災害救助犬を育てる
木下 大然(53)
 「動物と自然が大好きです」と語る、優しい笑顔が印象的です。鹿児島で災害救助犬を育成しています。『NPO法人災害救助犬ネットワーク』の一員です。
 三重県生まれ東京育ち。16歳の頃に出会った環境保護活動家に大きな影響を受けました。
 20代で初めて訪れた屋久島の自然に魅了され移住を決意。エコツアーガイドとして活動してきました。2000年夏、山で遭難事故が発生。救助犬による捜索チームをガイドし、その能力に魅了されました。「人を助けたい」と、翌年、険しい山でも自由自在に動ける山梨県原産の甲斐犬の子犬を選び、救助犬の第一人者のもとで技術を身につけました。
 「救助犬は人(指導者)と犬の連携が欠かせません」。認定試験に合格したチームは不測の災害・遭難に備えて待機します。一方、救助犬の育成、出動費のほとんどが個人負担で、財源確保も大きな課題の一つです。
 東日本大震災発生後直ちに被災地へ。しかし福島原発周辺の高線量観測で、捜索活動を断念しました。「原発さえなければ、もっとたくさんの被災者を見つけたり、捜索以外のお手伝いもできたはず」
 脱原発のデモや金曜行動に、東日本大震災の被災地で救助活動をした10歳の救助犬、雁と参加します。
 熊本地震でも、川内原発を不安視する被災者を前に、さらに思いを強めます。
 文・写真 山口 美咲恵

とめよう原発!かごしまの会」の活動(鹿児島県知事選の応援)の合間に取材を受ける


屋久島救助犬協会トップページ