2003年5月23日救助犬訓練報告
日頃は屋久島のためにいろいろとご尽力いただきありがとうございます。
屋久島救助犬協会では災害(遭難)対策の一つとして救助犬の育成をしておりますが、屋久島での救助犬訓練について皆様のご理解をいただきたく、下記の通り報告いたします。
年月日:2003年5月23日(晴)
行程:10:00〜13:30安房川カヤック
15:00〜16:00西部林道
目的:環境および他人への馴致。運動能力および体力増進。
理由:地震、台風、土石流、火山噴火などの災害を想定して日常の訓練を積むことが必要。面識のない被災者(遭難者)を救助するため、他人への友好性を高めることが必要。
訓練士:木下大然(訓練およびガイド)
訓練犬:雲居の雁(2歳5ヶ月・2002年10月27日救助犬第1種認定)
訓練内容:オンリードで歩きながら、または留まっての服従訓練、カヤックに乗せて移動する訓練、水泳訓練、多くの人に会うことで他人への友好性を高める訓練、災害を想定した瓦礫捜索訓練等。
訓練中会った人や動物の反応:私のお客様3名は救助犬をツアーに同行したことについてとても喜んでいた。他の観光客約10名、ガイド3名も皆好意的だった。私のお客様は救助犬にとても興味を持ったので、安房川付近の岩の陰に隠れてもらい捜索訓練をした。
途中サルに出会ったが、雁は殆ど興味を示していない様子であった。サルはこちらに興味を示し7メートル位まで近寄ってきた。
以上です。
ツアー中の捜索訓練について
救助犬の訓練においてヘルパー(隠れ役)は非常に重要です。ハンドラー(指導手)は「探して」と号令するだけで、後は全てヘルパーにかかっていると言ってもいいくらいです。私たちの場合は周りに救助犬仲間が全くいなかったので随分苦労しました。初めての人にヘルパーを頼む時は、まずこちらが隠れ役になって見本を見せてからやってもらいます。またこちらからヘルパーに「音を出してください」「呼んでください」「もっと誉めてください」「もう一度隠れて(頭を下げて)ください」などと指示を出すこともあります。またいつも同じヘルパーだと他人を探すことが出来なくなってしまい、実際の捜索では役に立たないことがあります。このように救助犬を育てるには複数の人がいないとできません。ツアーの度に犬好きなお客様にヘルパーをお願いし、捜索訓練をしているのはそのためです。
この報告は屋久島の山岳に関わる各関係機関およびガイド関係者に対し、屋久島救助犬協会が自主的に行っているものです。ご質問、ご意見等ございましたら下記までご一報ください。
鹿児島県熊毛郡屋久町安房2627-133
TEL/FAX 0997-46-3714
Mobile 090-9580-7862
E-mail = waken@bronze.ocn.ne.jp
URL = http://yakushima.org/rescudog.htm
屋久島救助犬協会
訓練士・指導手 木下大然
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