2003年5月29日救助犬訓練及びデモンストレーション報告

 日頃は屋久島のためにいろいろとご尽力いただきありがとうございます。

 屋久島救助犬協会では災害(遭難)対策の一つとして救助犬の育成をしておりますが、屋久島での救助犬訓練及びデモンストレーションについて皆様のご理解をいただきたく、下記の通り報告いたします。

 年月日:2003年5月29日(雨)
 行程:09:00〜12:00上屋久町福祉センター(入口脇)
    12:10〜12:40かぼちゃ家(店の前)
    12:50〜17:15上屋久町福祉センター(入口脇)
    17:20〜20:30屋久島勤労者体育館(館内)
 目的:環境および他人への馴致。多くの人に救助犬の有効性を知っていただくこと。
 理由:遭難事故や災害が起きた場合に救助犬で探す手段もあるということを伝えるため。
 訓練士・指導手:木下大然(第11回環境自治体会議屋久島会議参加)
 ヘルパー:木下香里(  〃  )
 訓練及びデモンストレーション犬:雲居の雁(2歳5ヶ月・2002年10月27日救助犬第1種認定)
 訓練内容:人や車の出入りの激しい場所でオンリードでの環境馴致訓練、多くの人に会うことで他人への友好性を高める訓練、大きな音(益救神太鼓)や雑踏に馴致させる訓練等。
 デモンストレーション内容:第11回環境自治体会議屋久島会議交流会において。まずは救助犬について簡潔に説明する。指示によりオフリードで左側に付いて歩く脚側行進。遠隔での号令で「おすわり」「ふせ」「たって」の姿勢をとらせる。「おいで」の号令で目の前に来て停座させ、「ついて」の号令で左側に脚側停座。「さがして」の号令で予め隠れていたヘルパーを捜し出し、吠えて知らせる。会場には環境省屋久島自然保護官、屋久島環境文化財団職員、上屋久町長、屋久町長、両町役場職員、島内エコツアー関係者の他、全国の自治体関係者、エコツーリズム支援者、医療関係者など数百名が参加しており大盛況であった。特に福井県武生市長及び役所職員、香川県坂出市役所職員、茨城県東海村議会関係者、千葉県千葉市議会関係者、静岡県の医療関係者、(財)日本交通公社職員の方々は救助犬に大変興味を持たれたので個別に詳しく説明した。

 訓練中及びデモンストレーション中会った人の反応:今回は数百人の人に出会い、多くの人に撫でられたり餌をもらったりなど優しくしてもらった。あまりにも人数が多かったので把握しきれないが、私が見ている限りでは犬嫌いの人は見受けられなかった。

 以上です。

 今回私が参加した第7分科会「地域に応じたエコツアープログラムを考える」の話題提供者の1人、理学博士南正人氏(株式会社ピッキオ代表取締役)によると、北米では野生のクマが人に近付かないように教育する使役犬がいるそうです。元々クマ狩の猟犬で有りながら他人に対しては非常にフレンドリーだそうです。野生のクマとの共存を考える北佐久郡軽井沢町でも、今年の8月に北米からこの犬とその指導手を呼び寄せ、今後のことについて考えていくそうです。何のご縁か、南氏は雁の父犬(小諸市の救助犬)の指導手である山下國廣氏を良く知っておられ、この件については山下氏に是非相談に乗って欲しいと言われました。獣医師である山下氏には、ピッキオに飼われているオオハクチョウのことでお世話になったそうです。

 この報告は屋久島の山岳に関わる各関係機関およびガイド関係者に対し、屋久島救助犬協会が自主的に行っているものです。ご質問、ご意見等ございましたら下記までご一報ください。

鹿児島県熊毛郡屋久町安房2627-133
TEL/FAX 0997-46-3714
Mobile 090-9580-7862
E-mail = waken@bronze.ocn.ne.jp
URL = http://yakushima.org/rescudog.htm
屋久島救助犬協会
訓練士・指導手 木下大然

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