2003年12月29日救助犬訓練報告
日頃は屋久島のためにいろいろとご尽力いただきありがとうございます。
屋久島救助犬協会では災害(遭難)対策の一つとして救助犬の育成をしておりますが、屋久島での救助犬訓練について皆様のご理解をいただきたく、下記の通り報告いたします。
年月日:2003年12月29日(晴)
行程:10:20〜16:50白谷広場→楠川歩道→太鼓岩→原生林歩道→白谷広場
18:00〜18:20平内海中温泉
目的:環境および他人への馴致。運動能力および体力増進。
理由:遭難事故が起きた場合に実際に出動する地域で、また地震、台風、土石流、火山噴火などの災害を想定して日常の訓練を積むことが必要。面識のない被災者(遭難者)を救助するため、他人への友好性を高めることが必要。
訓練士:木下大然(訓練およびガイド)
訓練犬:雲居の雁(甲斐犬3歳♀・2002年10月27日、2003年10月26日救助犬第1種認定)
訓練士:ジョン・ペリー(救助犬研修)
訓練犬:武蔵(甲斐犬9ヶ月♂)
訓練内容:多くの人に会うことで他人への友好性を高める訓練、オンリードまたはオフリードで歩きながら、または留まっての服従訓練等。
訓練中会った人や動物の反応:私たちのお客様2名は救助犬をツアーに同行したことについてとても喜んでいた。他の観光客約100名、ガイド11名も殆ど好意的だった。殆どのガイドは救助犬について説明してくれた。私のお客様は救助犬にとても興味を持ったので、森の中に隠れてもらい捜索訓練をした。武蔵はランナウェイ訓練※に留めた。また武蔵は犬好きな人が正面から近づくと警戒して吠えることがあったので、その人たちには手から餌を与えて警戒をほぐしてもらった。
途中シカに出会ったが、雁は殆ど興味を示さなかった。武蔵は興味を示したがハンドラーの号令に従って我慢していた。シカは殆ど警戒していなかった。
平内海中温泉では私たちが通り道に犬をつないでおいたため、後から入浴しにきた地元民3人に苦情を言われ、私たちはすぐに謝って犬を移動したが、その後その3人に喧嘩腰で「バカ、非常識、咬まれて狂犬病になったらどうする、(犬に)石をぶつけるぞ、(犬を)蹴飛ばすぞ」などと言われた。救助犬の説明をしたが全く理解がなく、「もし盲導犬が来たら?」と聞くと、「盲導犬がこんな所に来る訳がない」と言われた。私たちが犬をつないだ場所は良くなかったかも知れないが、屋久島に初めて来た観光客も数名入浴していたのだから、地元民はもう少し「観光の島」という意識を持って穏やかに話をしてほしい。
以上です。
この報告は屋久島の山岳に関わる各関係機関およびガイド関係者、また救助犬関係者に対し、屋久島救助犬協会が自主的に行っているものです。ご質問、ご意見等ございましたら下記までご一報ください。
ジョン・ペリーさんの国カナダでは、犬連れ登山は当たり前のようになっていて、バンフ、ジャスパー等の国立公園でも犬連れ登山を良く見かけるとのことです。もちろん狂犬病等の予防接種済であること、基礎訓練ができていること等は最低限守らなければいけないルールです。また日差の強い日中に高温になる車中で留守番させることは、カナダでは歴とした法律違反です。
鹿児島県熊毛郡屋久町安房2627-133
TEL/FAX 0997-46-3714
Mobile 090-9580-7862
E-mail = waken@bronze.ocn.ne.jp
URL = http://yakushima.org/rescudog.htm
屋久島救助犬協会
訓練士・指導手 木下大然
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