2004年1月4日救助犬訓練報告

 日頃は屋久島のためにいろいろとご尽力いただきありがとうございます。

 屋久島救助犬協会では災害(遭難)対策の一つとして救助犬の育成をしておりますが、屋久島での救助犬訓練について皆様のご理解をいただきたく、下記の通り報告いたします。

 年月日:2004年1月4日(曇)
 行程1:10:20〜16:30白谷広場→楠川歩道→太鼓岩→原生林歩道→白谷広場
 目的:環境および他人への馴致。運動能力および体力増進。
 理由:遭難事故が起きた場合に実際に出動する地域で、また地震、台風、土石流、火山噴火などの災害を想定して日常の訓練を積むことが必要。面識のない被災者(遭難者)を救助するため、他人への友好性を高めることが必要。
 訓練士:木下大然(訓練およびガイド)
 訓練犬:雲居の雁(甲斐犬3歳1ヶ月♀・2002年10月27日、2003年10月26日救助犬第1種認定)
 訓練内容:多くの人に会うことで他人への友好性を高める訓練、オンリードまたはオフリードで歩きながら、または留まっての服従訓練等。
 訓練中会った人や動物の反応および雁の反応:私のお客様2名は救助犬をツアーに同行したことについてとても喜んでいた。他の観光客約30名、ガイド5名も殆ど好意的だった。殆どのガイドは救助犬について説明してくれた。私のお客様は救助犬にとても興味を持ったので、森の中に隠れてもらい捜索訓練をした。

 途中ネズミに出会ったが、雁が興味を示したので、チョークチェインカラーを使って矯正した。またシカに出会ったが、雁は僅かに興味を示した後、私に注目したので良く誉めた※。シカは殆ど警戒していなかった。

※犬が我慢できなかったことを叱るのは比較的簡単だが、それだけで本能的な行動を修正するのは困難。どうすれば我慢できるかを工夫するのはかなり努力が必要だが、それによって犬は飼い主がどういう行動を望んでいるのか理解してくれる。犬が「単にやりたいことをすると叱られる」と理解すれば、進んで飼い主の意志を汲み取ろうとする意欲がなくなる。気にするものの、飼い主が制止すれば我慢していられる距離を見極め、刺激の強さを適度にコントロールすることが重要。──山下國廣氏(雁の父犬のハンドラー)からのアドバイス──

 以上です。

 この報告は屋久島の山岳に関わる各関係機関およびガイド関係者、また救助犬関係者に対し、屋久島救助犬協会が自主的に行っているものです。ご質問、ご意見等ございましたら下記までご一報ください。

鹿児島県熊毛郡屋久町安房2627-133
TEL/FAX 0997-46-3714
Mobile 090-9580-7862
E-mail = waken@bronze.ocn.ne.jp
URL = http://yakushima.org/rescudog.htm
屋久島救助犬協会
訓練士・指導手 木下大然

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