asahi.com 2011年8月11日
基地誘致へ大開発、森林激減
鹿児島・馬毛島、行政黙認
 

【動画】馬毛島空撮
 米空母艦載機の発着訓練(FCLP)移転候補地、鹿児島県西之表市の馬毛島で大規模開発が進み、森林法に違反する「許可外の開発行為」が疑われている。許認可権を持つ県や市は、これまで事実上黙認してきたため、自然や地形の破壊が徐々に拡大している。
 馬毛島では、1995年に開発会社の経営権を引き継ぎ、島の99%を所有するタストン・エアポート(旧馬毛島開発)が米軍基地誘致を掲げて南北4200メートル、東西2400メートルの滑走路建設をめざしている。
 違法開発が疑われるのは例えば、東西に貫く滑走路。幾筋もあった防風林が寸断され、掘削用重機や大型ダンプが動き回っている。同社や関連会社は森林法に基づき、2000年8月〜10年8月に砕石やヘリポート設置などの目的で県から5件計60ヘクタールの林地開発許可を受け、02年7月〜07年4月には市へ12件計170ヘクタールの伐採届を出した。

 鹿児島県西之表市の馬毛島で、利用計画が確定しないまま、森林法違反が疑われる大規模開発が進んでいる。2002年には441ヘクタールあった森林の4割が既に消えた。写真は(上)04年6月、(中)06年11月、(下)11年7月、いずれも朝日新聞社ヘリから撮影
 
 東西に延びる「2400メートル滑走路」。ダンプカーが入れ代わり立ち代わり土を運び、盛り土を続ける=7日、鹿児島県西之表市・馬毛島、朝日新聞社ヘリから、森下東樹撮影

林地開発許可区域

馬毛島の自然を守る会・屋久島