捜索訓練の方法

 捜索訓練の方法は、ヘルパー(遭難者・被災者役)が森の中や物陰などに隠れ、犬がヘルパーを捜し出して吠えたら、ヘルパーが犬に報酬を与えます。救助犬はヘルパーがつくりあげると言われるぐらい、ヘルパーの役割はとても重要で、ヘルパーは犬の心が良く分る人が担当するのが理想ですが、同じ人ばかり担当していたのではその人にしか反応しなくなってしまいます。そのため私たちは、犬好きな観光客等に訓練方法をよく説明した上で、ヘルパーをお願いしています。

1. ヘルパーは報酬を用意し、森の中や物陰などに頭を下げてうずくまるように、または倒れるようにして隠れます。
2. 指導手が犬に「サーチ(捜して)」等、捜索の号令をかけます。
3. 犬はヘルパーを捜し出してワンワン吠えます。
4. 犬が数回吠えたところで、ヘルパーは犬を良く誉めながら報酬を与えます。
   
犬がなかなか捜し出せなかったり、近くに来ても吠えなかったりした時には、ヘルパーが報酬を見せたり声をかけたりして犬の捜索意欲を高めます。
   

↓画面左下の再生ボタンをクリックすると動画が開始します↓
 
草原での捜索訓練
(2003年11月24日尾之間灯台付近)
  岩場での捜索訓練
(2004年3月17日小杉谷山荘跡地付近)

 救助犬の訓練においては、犬を訓練するとともに指導手の訓練が非常に重要です。特に山岳捜索においては体力とともに高度な技術を要することもあり、日頃から鍛錬しておく必要があるでしょう。また犬と人間は対等のパートナーであることを認識しなければなりません。訓練中に犬がミスをしても、それを咎めることなく包容して、犬を勇気づけることが肝心です。

 救助犬が必要な災害や遭難はそれほど多くあるわけではありません。救助犬は、普段は普通の家庭犬として暮しています。しかしその間にも訓練を続けていないと、人を捜して遊んでもらう喜びを忘れてしまったり、足場の悪い場所を怖がるようになってしまいます。何もしないと能力も体力も落ちてきます。そうならないためにも毎日の訓練が重要です。救助犬の訓練に終りはありません。

 犬の訓練は、人間の子どもを育てることと一緒です。愛情を持って根気よくしつけていくことが大切です。しつけの基本は、して良いこと、悪いことの区別をしっかりと覚えさせることです。肝心なのは犬に信頼感を抱かせることです。人との絆ができて初めて号令を聞いてくれます。

屋久島救助犬協会トップページ