映画「もののけ姫」より
 映画「もののけ姫」の中で、主人公のアシタカは、この映画のテーマとも言うべき重要な台詞を言っています。

 タタラ場に侍が攻め込んで来て戦となり、アシタカがそのことをエボシに知らせに行った時のことです。アシタカは、戦を放置してシシ神の首を取りに行くエボシたちに対し、「森とタタラ場、双方生きる道はないのか?」と問いかけます。

 戦争は最も大きな自然破壊です。またシシ神は命そのもの=自然の象徴です。アシタカをエミシの一族として描いていることも興味深いですね。エミシにはアイヌという見方がありますが、アイヌは七代先のことを考えて木を切ったり獲物を取ったりして生活していた民族だと言われています。

 つまり自然がどんどん壊れていく戦争の中で、自然を更に大きく破壊しようとしている人たち(エボシやジコ坊たち)に対し、自然の心を知る人(アシタカ)が、「自然と人間が共に調和して生きていくことはできないのか?」と問いかけている場面として見ることができるのではないでしょうか。

 この台詞は映画「もののけ姫」のテーマであると同時に、私たちが生きていく上で考えていかなければならない最も重要なテーマでもあると思います。

 しかしその答はこの映画の中では出していません。つまり「皆さん一人一人に考えて行動していただきたい」という願いを込めているのでしょう。

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