森はCO2を分解する
 今、地球温暖化が問題になっていますが、その原因の一つにCO2の増加があげられます。森の木々はそのCO2を分解し、留めておく大切な役割を果たしているのです。

 鉢に限られた土を入れ小さな木を植えて太陽の光と水だけで育ててみてください。肥料は一切あげなくて結構です。1年も経つとその木は大きく成長していることでしょう。水で膨れたのでしょうか?いいえ、太陽の光で光合成をし、大気中のCO2(二酸化炭素、炭酸ガス)をC(炭素)とO2(酸素)に分解し、Cを取り込んで大きくなったのです。O2は大気中に放たれ、私たち動物が生きていく上で欠かせないものとなっています。つまり森の木々はCを固定化して体を作り、私たちにはO2を供給してくれるのです。木々は死んでも燃えない限り、腐らない限り、Cはそこに留まり続けます。木を燃やすと炭になり、最後には灰になり、CはO2と結びついて再び大気中へと戻っていきます。

 木の家はそこにいつまでもCを留めておくことができます。それに対してコンクリートの家はどうでしょうか?コンクリートの原料のセメントは、動物の殻や骨格が化石化した石灰岩という石を焼いて粉にしたものです。高温で長時間焼くため、たくさんの化石燃料を使い、大気中にCO2がどんどん増加していきます。

 それぞれの地域で、そこにある木をうまく利用していくことは、自然を守る上でも非常に重要なことですね。

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