怪文書のちらし広告が配布される

 5月1日、種子島の毎日新聞と読売新聞に、出所、代表者不明の怪文書のちらし広告が折込配布されました。内容は以下の通り、安全性と大規模な経済浮揚効果をうたい文句に、中間貯蔵施設の誘致を推進するものです。


市民の皆様へ

原子力発電・リサイクル燃料中間貯蔵関連施設
種子島周辺誘致立地推進連絡協議会

 昨今、原子力発電から出る使用済み核燃料(リサイクル燃料)を、一時的に保管する中間貯蔵施設等の種子島周辺誘致に絡み、種子・屋久の行政、議会、一部住民による誘致反対運動が展開中です。しかし、私たちは人口の減少、永引く経済不況、雇用不足等による大幅な税収減(事業税、固定資産税、国保税、市民税など)で苦境に立つ市の将来的財政事情の改善、建て直しを図り、末代まで健全で住みよい、心豊かな、活力ある西之表市でありたい─との切なる思いの込めて、次のような視点から、使用済み燃料(リサイクル燃料)中間貯蔵施設等の誘致立地を千載一遇の『企業誘致』として積極的に推進したいと思います。

リサイクル燃料は『安全』です。

  1. 電力の安定供給を図り、わが国のエネルギー政策の柱である原子力発電は国内で51基が稼働中で、電力需要のおよそ40%をまかなっています。この原子力発電所から出る使用済み燃料の中に、わずかの核エネルギーが残っているため、再利用(リサイクル)して発電の燃料に使われます。再利用されるまでの間、一時、貯蔵する施設が中間貯蔵施設で、政府は国内のどこかに貯蔵施設を整備する必要に迫られています。

  2. 貯蔵にはプールの水で冷やす方式と鋼鉄製の頑丈な容器で密閉する乾式(キャスク)があり、誘致しようとするのは、この乾式キャスクの方式で、鉄筋コンクリート製の強固な建て屋の中で保管します。

  3. キャスクは、内部の核エネルギーが外に漏れないように三重、五重の特製容器に閉じ込め、24時間センサーで監視され、外部に流失する心配はありません。

  4. その貯蔵技術は水冷式で30年間無事故の実績があり、キャスク方式でも静的貯蔵は同じで先の東海村JCO臨界事故のような危険性は全くなく、安全性が高く、問題はありません。

中間貯蔵施設を立地すれば

  1. 種子・屋久周辺の魚、野菜、家畜等に影響が出ることはあり得ません。

  2. 通産省・資源エネルギー庁の試算では、2000億円規模の地元経済効果と常時雇用四百人規模。

  3. 立地する自治体には、国が年間90億円、向こう50年間以上、保管料(地域振興費)を交付。公共工事の95%国庫補助や、地方自治体の単独事業に地方債発行で優遇する特別措置法の支援。

  4. これら莫大な経済効果のほか、施設立地に伴う事業税、固定資産税、核燃料税、法人住民税などの自治体増収が市の財政を潤し、住民の各税額は大幅減税につながります。

  5. 電源立地等初期対策交付金=(ア)地域おこし(先進地見学、研修会、講演会、地域活性化イベントの開催、マーケティングなど) (イ)福祉(医療・社会福祉施設、教育文化施設、スポーツ・レクリエーション施設の整備運営) (ウ)地域の産業振興(商工業、農林水産業、観光業等の振興に寄与する施設設備)を対象にした各事業への支援など─。

  6. 広域ゴミ最終処分場建設など離島環境整備への公的助成ほか、国策による飛躍的経済浮揚─。

以上、市民の皆様の深いご理解とご賢察をお寄せ下さい。

以上、原文の通りです。

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