総会宣言

 昨年来、種子島馬毛島において使用済み核燃料の中間貯蔵施設誘致の動きが現実味を帯びてきております。私達はこの事態を対岸の火事と静観、軽視するわけにはいきません。近年、原子力発電所や核施設で大事故やトラブルが相つぎ、核施設のある全国各地の市町村での不安は増大しております。多発する事故の現実と、そこから排出される核廃棄物処分問題の深刻さを正しく知る時、年間500トン、総量5000トンものプルトニウムを含む高レベル放射性物質が日常的に運びこまれるこの施設は、先の見えぬ日本の原子力政策の現状の中で永久に最終処分地となる可能性も否定できません。
 「熊毛はひとつ」の言葉のとおり、古くから種子島と屋久島は距離的にも人の交流も近く親しい兄弟の島です。この隣接した熊毛の地にもし核施設ができれば、私達屋久島の生活や産業のあらゆる面で影響は避けられません。そしてこのような計画が実現の方向へ動きだせば、その時点からこれを押しとどめることは大変な困難を伴います。原子力に依存した危うい社会からの脱却を真剣に考えると共に、今こそ多くの人がこの屋久島の地から「核施設はいらない!」との声をあげ、ひとりひとりがその輪を広げることが肝要ではないでしょうか。
 今日ここに私達は「核施設はいらない島民の会・上屋久町」を結成し、核施設のない未来を築き美しい自然と安心して暮らせる郷土を守るため、党派や組織を越えた活動を続けるべく、広く島民の方々に参加を呼びかけます。
 以上宣言いたします。

平成12年2月26日
核施設はいらない島民の会・上屋久町

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