2001年1月号

長峯からの初日の出











 
 20世紀を振り返ってみると本当に色々な出来事がありました。終ったことを悔やんでみても仕方ないけれど、反省しなければ進歩がありません。先々のことを憂えてみてもどうにもならないけれど、今を精一杯生きなければ未来は開けません。21世紀は地球の心を知り、共に苦しみ、共に喜び、次の世代に素晴しい自然と美しい心を残していって欲しいですね。
       
2001年4月〜12月号

安房川千尋滝












 
 屋久島には千尋滝と呼ばれる滝が二つあります。一つは観光名所になっている鯛ノ川の千尋滝、もう一つは安房川の千尋滝です。安房川の千尋滝は荒川登山口からトロッコ軌道を少し下ったところにあります。この軌道は屋久島電工(株)が水力発電の管理のために使っている軌道で、人が歩くための歩道ではありません。ですから安房川の千尋滝は観光客の目に触れることはないのです。この写真を見ても分る通り、今は殆ど水がありません。それは上のほうで取水し、水力発電に使ってしまっているからです。安房川の支流、荒川には大きなダムがあります。荒川(尾立)ダムです。そのダムが満水状態で、総出力56,500キロワットもの電気が作られます。屋久島電工は住民に電気を供給した後、珪砂とコークスを電気炉で焼いて炭化珪素(SiC)というものを作っています。これはダイヤモンドに次ぐ硬さで細粉として研磨剤にしたり耐火材として使用します。
 さて、ダムを建設することで川は分断され、魚などは往来出来なくなります。また水は殆ど水力発電に使われてしまうため、川が涸れて魚が住めなくなります。現在、私たちが暮していく上で電気は必要不可欠なものになっていますが、そのためには自然が大きく破壊されていくことを知り、少しでも節約していきたいものですね。
       
前の年へ 目録に戻る 次の年へ
屋久島だよりトップページ