2000年1月号

自然観察路展望所より













 
 いよいよ2000年の幕開けです。今年の御正月は格別の感があったのではないでしょうか。私達は近くの海岸で御来光を拝みました。少し雲はありましたが穏やかな日和の中、2000年元旦の御来光を清々しく拝むことができました。今年はこの日のお天気のように穏やかであって欲しいと願っています。皆様はどのように新年を過されていますか?
       
2000年2月号

北西の風に荒れ狂う栗生海岸












 
 北西の風が吹き始めると屋久島は本格的な冬に入ります。山には雪が降り積もり、島の北東から南西にかけて海は荒れ狂います。そして浜にはたくさんの珊瑚の死骸や貝殻などが打ち上げられます。
       
2000年3月号

高塚小屋前












 
 南国の「屋久島」にも雪が積ります。標高1300mを越す高塚小屋周辺ではこの通り、ヒメシャラも雪化粧をしています。
       
2000年4月号

宮之浦岳山頂付近より永田岳を望む












 
 屋久島には九州最高峰の宮之浦岳(1935m)を始め、1800mを越える山々が連なっています。宮之浦岳山頂は里に比べ12℃ほど気温が低くなります。また山の天候は変りやすく、3月中旬でも冬山のようになることがあります。この写真を撮った日は天気もよく、樹氷がとてもきれいでした。
       
2000年5月号

太鼓岩からの展望















 
 太鼓岩は、白谷雲水峡はずれの辻峠から約20分ほど登ったところにある、展望の良い花崗岩の巨岩です。天気が良ければ眼下に小杉谷周辺、安房川がよく見え、奥に太忠岳、安房岳、翁岳、栗生岳、宮之浦岳などを望むことが出来ます。辻峠からは道がはっきりしないので、初めての人はガイドを付けたほうが良いでしょう。
       
2000年6月号

家の裏でキイチゴ摘み












 
 家の近くでオオバライチゴ(リュウキュウバライチゴ)、リュウキュウイチゴ、ホウロクイチゴの実がいっぱいなりました。オオバライチゴは棘が多いので採る時には雨合羽に長靴といういでたちで収穫しました。それでも手は傷だらけになりました。そのまま食べても甘くて美味しいのですが、食べきれないほど採れたので、ゼリーやジャムを作りました。今年のキイチゴ摘みでは大アクシデントがありました。倭賢のためにと思ってホウロクイチゴを摘もうと藪に一歩足を踏み入れた途端、マムシに咬まれてしまいました。
       
2000年7月号

永田前浜












 
 永田では口永良部島に沈む夕日がとても美しく見られます。この時期、ウミガメが産卵のため次々に上陸し、白い砂浜に無限軌道のような足跡をいくつも残していきます。今年も無事にたくさんの子ガメが孵りますように……。
       
2000年8月号

永田いなか浜












 
 海水浴シーズン到来です。でも永田のいなか浜は海水浴客も少なくゆったり過せます。浜を望む「民宿送陽邸」は、地元の気さくなご家族が経営する田舎風の素適な宿です。夕日を見ながら入る露天風呂も最高です。
       
2000年9月号

17支線伐採跡地











 
 ここは昭和50年代まで盛んに伐採が行われていたところです。樹齢1000年を越える屋久杉の切株が点在し、ようやく低木が生え始めた斜面は、原生林もろとも切られた当時の様子を生々しく物語っています。現在でもこの付近では伐採が行われ、その中には1000年を越える屋久杉の生木も混ざっています。屋久島では今でも年間数百立方メートルもの材が島外に持ち出されていると言われていますが、これは一体いつまで続くのでしょうか?
       
2000年10月号

ヤクタネゴヨウの樹間より口永良部島を望む











 
 西部林道の周辺は海岸線から尾根付近まで照葉樹林で覆われ、豊かな生態系が残されています。現在西部林道の上側の大部分は林野庁により森林生態系保護地域に指定され、また環境庁により国立公園特別保護区または第一種特別地域に指定され、更に民有地を含む海岸線までがユネスコにより世界自然遺産に登録されています。屋久島で海岸線から世界自然遺産に登録されているのはここだけです。一時は大型観光バスを通すため道路を拡張する計画もありましたが、自然を残そうとする立場からの反対の声が強く、どうにか食い止めることができました。現在、この付近に生育する絶滅危惧種ヤクタネゴヨウを守るため、ヤッタネ!調査隊が活躍しています。
       
2000年11月号

トロッコ道迂回路付近の紅葉












 
 山の方はだいぶ秋も深まり、ヤクシマオナガカエデ、コハウチワカエデ(イタヤメイゲツ)、ヤマザクラ、ナナカマド、マルバヤマシグレ、アオツリバナなどが美しく紅葉しています。常緑の照葉樹や針葉樹の中で、深紅から淡紅色まで、紅葉した落葉樹は一際目立ちます。
       
2000年12月号

松峯大橋から見た安房川















 松峯大橋は、安房川の河口から2kmほどのところに架かっている屋久島で一番高い橋で、水面から約70mもあります。上流は急峻で滝がいくつもある安房川も、河口付近ではゆったりとした静かな流れになります。周りは豊かな照葉樹林に囲まれ、カヌーなどで景色をゆっくり楽しみながら遊ぶには最高の場所です。スノーケリングをすれば、ウグイ、アユ、ヨシノボリ、ボウズハゼ、オオウナギ、クサフグ、ボラの子、エバ(ギンガメアジの子)など、汽水域の魚もいろいろ見られます。
       
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