屋久島町 |
楠川 |
楠川の宮之浦寄りには恵命我神散という胃腸薬を作っている工場があります。主成分はガジュツというインド原産の草の根茎でとても苦いです。島内にはこの工場と契約してガジュツを栽培をしている畑がたくさんあります。 1532年、種子島氏により楠川城が築城されましたが、現在は石垣が残るのみです。昔はたたら場(製鉄所)もありました。集落の中を流れる城之川(じょんこ)河口付近の海岸には他の砂から分離して黒い砂が溜りますが、これが上質の砂鉄なのです。ペットボトルなどに入れて磁石を近付けるとぴったり張り付きます。隣の種子島は鉄砲伝来の地として有名ですが、楠川と同じく上質の砂鉄が取れる浜があるので、昔から鉄砲、鋏、包丁などが盛んに作られてきました。 楠川登山口から白谷雲水峡方面に向かう楠川歩道は、江戸時代に屋久杉を伐採し平木に加工して下ろすために利用された道の一つです。花崗岩でつくられた道は数百年経った現在でもしっかりと残っています。大正12年にトロッコが開通するまでは、屋久杉を伐採して楠川に下ろすための木馬(きんま)道もありました。 椨川寄りの県道から山側に160メートルほど入ったところには楠川温泉があります。 |