不妊手術等(避妊・去勢)について | |
当犬舎では不妊手術等(避妊・去勢)はお勧めしておりません。甲斐犬や柴犬などの日本犬は国指定の天然記念物であり、その所有者は、それが国民の文化的向上に役立つ貴重な国民的財産であることをしっかりと弁え、次世代に伝えていくことが重要です。なお、天然記念物である日本犬は、文化財保護法により、病気にならない限り避妊・去勢はできません。 |
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人間は病気等でない限り避妊・去勢はしませんし、医師も勧めることはありませんが、獣医師は動物が健康体であるにも関わらず「しないと病気になる」と言って避妊・去勢を勧めます。しかし、避妊・去勢をすればホルモンバランスが崩れますし、他の所に負担がいきますので、病気になる確率が下がる訳ではありません。ホルモンバランスが崩れることで、思わぬ弊害が生じる可能性もあります。当犬舎からお譲りした犬の中にも、不妊手術後ホルモンバランスが崩れて食欲旺盛になり、何でも食べるようになってしまい、タオルを1枚食べて亡くなった犬がいます。卵巣、子宮、睾丸を切除してしまえばその部位の病気にかからないのは当たり前ですが、それでも化学合成添加物や遺伝子組み換え作物などが含まれているフードを与えていれば健康を害し、避妊・去勢をしていたとしても癌、糖尿病、循環器疾患、泌尿器疾患、呼吸器疾患などの生活習慣病にかかりやすくなります。ですから、愛犬には避妊・去勢をせず、化学合成添加物や遺伝子組み換え作物不使用の高品質フード(当犬舎のお奨めはビィ・ナチュラル)を給与されることを是非お勧めします。 天然記念物として次世代に伝えていくためには、彼らの子孫を残す必要があります。当犬舎としても、仔犬を迎えられたお客様には、犬の健康管理やしつけ(訓練)などの相談対応はもちろんのこと、血縁が離れた交配相手を紹介したり、交配して仔犬が生まれたら血統登録をお手伝いしたり、ご希望により生まれた仔犬を引き取らせていただくなど、後々まで協力は惜しみません。 動物は子育てをすることで記憶力などの学習能力が向上することが証明されています。また、妊娠・出産により新陳代謝が促進されて老廃物が排出され、健康面でもプラスになります。飼い主としても、愛犬の子育てに付き合うのはとても楽しいですし癒されます。野性的な日本犬の場合、出産において難産になることは極めて稀であり、母犬は初産であっても羊膜を破り、へその緒を咬み切り、後産の処理をして仔犬を綺麗に舐めて母乳を与えます。飼い主としては、羊膜をうまく破れないときなどに手伝ってあげるくらいで、あとは静かに見守ってあげるだけで十分です。なお、産床に布や毛布などを敷くと仔犬がそれに包まって窒息することがあるので、何も敷かないか新聞を敷いて濡れたら取り替えれば良いでしょう。 犬は人と同じ社会性を持つ哺乳類であり、感情もあり、動物愛護先進国であるイギリスでは人が飼養する犬や猫を「ペット」と呼ばず、「コンパニオンアニマル(伴侶動物)」と呼んでいます。それは、犬や猫の習性や行動特性を尊重した上で、家族の一員として一緒に暮らそうという意識の表れです。不妊手術にしても、欧州全体として極力避ける傾向にあり、手術を施すということは、飼い主が自分の犬や猫をきちんと管理できないことの表れだという考え方が主流になっています。また、ブータン王国では命を平等に扱っているので、人も動物も基本的に医療費は全て無料です。特に優れているのは、全ての野良犬に対して不妊手術を実施し、狂犬病ワクチンを接種していることです。それは、野生生物が暮らす豊かな自然を守るため、自然環境に悪影響を及ぼす野良犬を増やさないようにするためと、全ての哺乳類が感染し、発症すればほぼ死に至る狂犬病の蔓延を防ぐためです。不妊手術については前述した内容と相反していますが、それは文化財やコンパニオンアニマルとして人が適切に管理しなければならない存在と、自然環境に悪影響を及ぼす存在の違いにあります。 |