2011年9月21日

町長選立候補者         様

公開質問状

原発はいらない屋久島の会
代表 松田 正
〒891-4404 鹿児島県熊毛郡屋久島町尾之間1175-19
TEL 0997-47-2091

 この度は屋久島のために町長選に挑まれることに対し、深く敬意を表します。
 私どもは、「原発はいらない屋久島の会」と申す団体です。1999年はじめ、馬毛島に使用済み核燃料の中間貯蔵施設を誘致する話が持ち上がった時に、旧上屋久町において「核施設はいらない島民の会・上屋久町」として発足しました。同時期に旧屋久町では「核廃棄物の中間貯蔵施設をつくらせない市町村議員・住民連絡会」が発足し、ともに核施設に対する反対運動を高めていきました。その結果、両町において全国初の包括的比較条例が制定されたことは、全国に誇れる方策であり、記憶に新しいことと存じます。
 既に周知の通り、2011年3月11日の東日本大震災を引き金として、福島第一原発が大事故に発展しました。それは過ぎた話ではなく、今なお30キロメートルを超える地域でも高濃度の放射能に汚染され、数万人の人々が避難を強いられています。25年を過ぎたチェルノブイリが今でも周辺30キロメートルは立ち入り禁止であるように、高濃度に汚染されたところは長期にわたって人間が住めない地域になってしまいました。人々は家を捨て、先祖伝来の墓や田畑を捨て、仕事を捨てざるを得ません。この屋久島にも避難してきている人たちがいます。
 さらに、今後大量のガン患者の発生、及びガン死が予想されています。その被害は、子どもたちに集中することになります。すでに福島では、子どもたちに放射性ヨウ素131による甲状腺障害の予兆である鼻血が多発しています。
 このような、目を覆うばかりの惨状にありながら、福島第一原発の事故原因も明らかになっていません。そのような中、伊藤祐一郎知事自ら「安全神話は崩れた」と言う一方で、「地域住民に対し、運転再開もやむを得ないというような状況を如何にして作りだしていくかが今後の課題だ(2011年5月20日定例会見)」と述べています。つまり、知事は定期点検で停止中の川内原発1号機の再稼働を認めるかのような発言をしているのです。明らかな論理矛盾であり、伊藤知事は巨大事故を前に冷静な判断能力を失ったのではないでしょうか。
 鹿児島県の一市町村である屋久島町としても、この問題を見過ごす訳にはいかないと思います。つきましては、以下の質問にお答えいただきたく、ここに公開質問状を提出いたします。町長選も間近でお忙しいことと存じますが、9月30日までにお返事をいただきたく、お願い申し上げます。

【質問1】 福島第一原発は、核燃料がメルトスルーを起こし、現在どういう状況にあるのか分かっていません。核燃料は圧力容器ばかりか格納容器も貫通し、地下に潜って再度水蒸気爆発を起こす危険も指摘されています。放射能を大量に放出し続け、破滅的な危険を背負ったままの原発と、数十年、数百年格闘しなければならないと言われています。この状況をどのようにお考えでしょうか?

【質問2】 最近、新燃岳や桜島の火山活動が活発化しています。大正時代の関東大震災と桜島の噴火は連動していると言われています。川内原発の近くには中央構造線が走り、他にも多くの断層が確認され、さらに火砕流が数メートルも積もっているところが確認されています。いつ川内原発に大地震が起きても、また火山噴火による火砕流が押し寄せてきてもおかしくない状況です。このままでは川内原発でも福島第一原発と同様の事故が起きる可能性が高いでしょう。事故が起きた場合には、風向きの関係により、福島の事故の数十倍以上の規模で汚染が広がり、九州全域、四国全域、本州全域が緊急避難地域となることも予想されます。このことについて、どのようにお考えでしょうか?

【質問3】 福島原発の事故は、鹿児島県の原子力防災計画が、範囲をはじめ様々な想定事項において、根底から意味をなさないものであることを明らかにしました。現状は、鹿児島県に有効な防災対策がないままに原発が稼働しているという、あってはならない状況だと言って良いでしょう。このことについて、どのようにお考えでしょうか?

【質問4】 アメリカでの調査によれば、全米での乳癌患者の3分の2が原発から100マイル(約160キロメートル)以内に住んでいたことが分かっています。屋久島も川内原発から160キロメートルしか離れていません。町長は町民の「いのちと暮し」を守り、育てることが最大使命だと考えられます。とするならば、この屋久島にも川内原発1号機の運転再開にあたって、「国が安全を保証するから安全だ」というような態度をとることは許されないのではないでしょうか。原発は国策として推進されてきたのだとしても、地域に最も責任を負う立場にある町長としては、独自にかつ主体的に判断することが求められるはずです。「国が安全と言っているから」という言い訳を排除してなお、川内原発の安全性は保証されているとお考えでしょうか?

 以上、4項目です。
 先にも記しました通り、本質問状は公開とさせていただきます。本状が         様のもとに届いたことを確認した時点で、まずは私どものウェブサイトにて公開いたします。URLはhttp://www1.ocn.ne.jp/~yakuisl/です。ご確認いただければ幸いです。なお、私どものサイトでは、今までの私どもの活動および周辺の動き等についても紹介しております。こちらもぜひご覧ください。
 それでは、誠意あるご返答を期待しております。また、今回のことを契機に、         様と私どもとの間に、今後もさらに実りある「対話」が発展することを切に願っております。
 末文ではありますが、福島第一原発の事故が収束することを願うとともに、被災者の皆様が一刻も早く平常な生活に戻られることをお祈りいたします。

原発はいらない屋久島の会一同

公開日 2011月10月10日

         様
 ご回答はこの用紙をご利用いただくか、別の用紙に書いて添付していただいても構いません。
【質問1回答欄】









【質問2回答欄】









【質問3回答欄】









【質問4回答欄】








上記公開質問状への回答

 「馬毛島の軍事施設化を許さない屋久島の会」でも、町長選予定候補者と意見交換会をし、その内容を公開しておりますので、こちらも併せてご覧ください。

屋久島町長選予定候補者との意見交換会
(馬毛島の軍事施設化を許さない屋久島の会)

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